飲食店だったMUGHETTOが、刺繍工房になるまで

少し前まで、MUGHETTOは飲食店でした。
2012年に福岡でダイニングバーとして始め、2025年に閉店。
閉店するときには、お客様や友人、バスケの仲間たちから、たくさんの温かい言葉や励ましをいただきました。
サプライズまでしてもらったりして。
改めて、たくさんの人に支えてもらいながら続けてきた店だったんだなと感じました。
そして店を閉めることになって、「さて、これから何をしよう。」となります。

僕は昔から、「何となく好きだな」と思ったことしか続かないタイプなのですが、子どもの頃から何かを作ることは好きでした。
機械系の高校に行ってみたり、絵を習ってみたり、デザイン系の専門学校に通ってみたり。
今振り返ると、まあまあ迷走しています(笑)

そんな中、アルバイトで出会ったのが料理でした。
自分で考えて、一から作ったものをお客さんに出す。
味も見た目もアイデアも、その場で評価されて、喜んでもらえる。
「これだ」と思い、そこから飲食の世界に入りました。

そして35歳で、自分の店を持つことになりました。
それがMUGHETTOです。


学生の頃は部活でバスケをしていましたが
大人になってからは好きなNBAを見るくらいで、プレーからは遠ざかっていました。
そんなある日、「またバスケやりたいな」と。

僕は宮崎出身なので、当時の福岡にはバスケ仲間がいませんでした。
今のように気軽に参加できるエンジョイバスケもほとんどなく
だったら自分で作ってみようと始めたのが片手間バスケです。

経験、年齢、性別は関係なく、ただ楽しくバスケをする場所。
当時流行っていたmixiにコミュニティを作り
ありがたいことに1500人を超える方に参加してもらいました。
それから今まで、片手間バスケを続けています。


飲食店を閉めることになり、次に何をするかを考えました。
もちろん、自分と家族の生活もあります。
好きなことなら何でもいい、というわけにもいきません。
いろいろ考えた末に残ったのが、ものづくりとバスケ。

だったら、バスケに関係するオリジナルウェアを作ってみよう。
ただ、一から服を作る技術はありません。
既製品にプリントする方法もあるけれど、それだけでは何か物足りない。
そんな中で興味を持ったのが、刺繍でした。

もともと、小さなおじさんのワンポイント刺繍が入ったお気に入りのTシャツを持っていて
プリントとは違う立体感や存在感が気に入っていました。
「こういう刺繍を、自分のデザインで作れないかな。」
調べてみると、オリジナルのデザインデータから刺繍できるミシンがあることを知りました。
これなら、ちょっと面白いものが作れるかもしれない。
ここから刺繍を使ったウェア作りが始まりました。


刺繍を使う方向は決まりました。
次に考えたのは、これをバスケウェアとしてどう形にするか。

バスケで普段着ているのは、やっぱりドライTシャツです。
手元にあったものを改めて見ると、何度も着ているのに生地はまだ大丈夫。
でも、プリント部分はひび割れている。
「だったら、ドライTシャツに刺繍したらいいんじゃない?」
そうして、ドライTシャツへの刺繍を試してみることにしました。

刺繍ミシンを用意して、早速やってみると……
見事にぐちゃぐちゃになりました。
「なるほど。簡単じゃないのね」(笑)

実際にやってみると、ドライ生地への刺繍は思っていた以上に難しいものでした。
薄くて伸縮する生地なので、普通に刺繍するだけではなかなかきれいに仕上がりません。
「ドライTシャツに刺繍した商品をあまり見かけないのは、こういうことなのかな。」
そんなことを考えながら、生地に合う刺繍データや縫い方を調整して何度も試作しました。

失敗したら直して、また刺繍。
仕上がりを確認して、また調整。
そうやって試作を繰り返しながら、少しずつ納得できる形に近づけていきました。

手間はかかります。
でも、試作を重ねたことで、ドライTシャツでも納得できる刺繍に仕上げられるようになりました。
こうして始まったのが、「刺繍工房MUGHETTO」です。


これからこのブログでは、刺繍やデザインのこと、バスケやNBAのこと
MUGHETTOでやっていることなどを書いていこうと思っています。
たまに全然関係ないことを書くかもしれませんし、書くつもりで今日を生きてます。
どうぞ新しくなったMUGHETTOをよろしくお願いします。